西陣織職人ブログ

西陣織職人してます。織物屋として10代目になりました!手織物を世界に広めようと思っていろいろアップしていきます。 ジャンルは金襴で主に袈裟などで使われる生地等を製造しています

絹糸の良さと矛盾⁉️

うちでは縦糸に薄めた糊を塗ってます❗️

 

絹糸の手触りや質感はやはりあの滑らかさみたいなのが一番なのかな❓と思いますが

わざわざ硬くするために糊を塗ります👍

 

一番の理由は絹をパリッとするみたいな事、さらに仕立てやすいみたいなことで 織屋の次の工程の仕立て屋さんも助かるみたいです❗️❗️

 

ハサミを入れるときにパリッとしてた方が切りやすいとか。。

まあ織り終わって巻いたら確かに糊塗ったほうが綺麗には見えますが。。

やはり絹糸の感じはなくなるような気がします。

ただ糊も濃さが難しく、

どちらかといえば濃い方がパリッとなって良く見える感じですが、

縦糸同士がくっつくリスクもあり、織ってると違和感があります。

さらに糊も水分なので縦糸に塗ると糸が伸びたりもします。

実際糊を塗った場所は織物にも影響して段ができたりします。

糸の張り具合ですぐ段が入るので考えものです。

さらにもし縦糸が汚れていたりしたら糊で固まって取れなくなることもあります。

 

ただ私個人の意見ですが一度織り始めたら基本は立ち上がりません。

トイレに行くとかお客さん来るとか以外は立ちませんからちょうどいい立つ理由になります笑笑

 

ずっと木の板に座るのきつくなってくるんですよ。

なので少し気分がまぎれる事にもなりますが、

ただめちゃくちゃ複雑な柄の場合どこにどの縫取りの糸入れたらいいのかリズムで織ってるのでリズムが崩れたらわけわからなくなります。

そういう場合は極力織り続けたいので糊塗るタイミングは柄の色数が減った時にやる^ ^

 

このタイミングが理想なのですが

上記でも書いたように段が入りやすいので、

縫取りが多い時の方が目立ちにくいのです。

織り手としてはリズミカルに複雑な柄縫取りしてる時にしないといけなくなるので

間違えるタイミングでもあります。

縫取りの糸が多いと解くのもまた時間かかるので。

 

まとめ

絹糸の質感など購入者目線よりどちらかというと製造側の意見第一になっているかな❗️

綺麗に仕立てられた物を購入者に提供するのも製造側の努めです。

つまり糊を塗るのも努力の結果そうなったのです👍

綺麗な物を提供という結果が絹糸の良さを半減させてしまっている事になってしまっているのかな❓❓

どちらも一長一短あり取捨が難しいですがいまは糊を塗ることが勝っています😊

 

私は絹の質感が好きなのでパリパリの織物は考えようかな?と思っています。

質感好きにとっては嫌な事かもしれません❗️

ただクレームきた事ないので求めてる人少ないのかな❗️