西陣織職人ブログ

西陣織職人してます。織物屋として10代目になりました!手織物を世界に広めようと思っていろいろアップしていきます。 ジャンルは金襴で主に袈裟などで使われる生地等を製造しています

知ってた❓織物が完成するまでの道のり☀️

織物一つ作るのにどれくらいの作業が必要だと思いますか??

一応うちでやっている流れではありますが参考にしてください😃

 

そもそも織物って新作とかあるの?みたいなイメージで昔からからある柄の組み合わせたり、

配色変えたりといろいろ考えています。

私のしている法衣金襴は決まりがかなり厳しく、

自由に好きな柄とか配色をしていいわけではありません。

使用目的がお葬式やお寺の装飾になり、

厳かな場所で使います。

明確な決まりでは無いのですが、あくまで浄土をイメージして作っています。

動物などは架空の麒麟や鳳凰などになり、一般的なライオンやゾウみたいな柄はうちにはありません^ - ^

さらにド派手な配色をしてもダメで、あくで落ちつきや、厳かさを問われます❗️

それを踏まえてこれから作業工程に入ります。

1.柄を考える

2.絵描きさんに柄を描いてもらう

3.絵を織物に変換する

4.配色を決める

5.織る

だいたいこの5工程あります。

 

1.柄を考える❗️

だいたい仕事しながらや日常でなんとなく考えたり、販売の方から売れてる雰囲気聞いたりして考えます。

 

2.絵を描く❗️

私は絵は描けないのでプロにイメージを伝えて描いてもらいます!

やっぱり絵描きのプロはすごく、絶対に必要です。

3.絵を織物に変換❗️

次には絵を織物に変換します。これは紋屋の仕事で絵と織物は違うので作ってもらいます。

今では自社でこの作業をしている織り屋さんもテレビなどで良く見かけます。

4.配色❗️

できた紋に配色をします👍

配色は横糸の色、縦糸の色、あと縫取りの色です。

あくまで私の主観で配色していて

これが売れるか売れないかのポイントで、販売の方が見たときの印象が変わりますので一番神経を使います。

5.織る❗️

今まで行った工程を全てしてできた織物を一度ためしに織ります。

なぜ織るのかというと

想像と現物は違うので一度織って配色の調整をするのが目的なのと織りにくい場所はないかのチェックもあります。

あくまで織るのは自分ですから織りにくいのは調整してやりやすいように変更します。

 

以上この5工程でだいたい1カ月弱の日がかかり、上手く商品になればいいのですが、ボツになったら絵描き職人さんと紋屋さんへの支払いは織り屋の負担になります。

実際20万円前後くらい一つの柄を作るのにかかると言われていて、その負担が払えないので新柄はなかなか作ろうとする人はいません😣

既存の柄の配色変えるだけでも雰囲気は変わるのでそれで済ましてしまいます⤵️⤵️

さらに。。。

 

大ヒット商品というのも無いです。

売れすぎて困る!

みたいな事はないのですが織り屋としては持っている柄数があればあるだけ注文に引っかかる確率も増えます。

うちみたいな小さい織り屋でもだいたい800柄くらいはあります。

さらに10年間売れてない柄が今になって売れるとかも当たり前のようにあります!

織物の値段が高い理由にもなりますが一つ作るのにかなり費用がかかる上にヒットがない。

特に法衣金襴ですからお寺によって宗派があり、使える織物の柄も違います。

一つ作ってもこの宗派は大丈夫だけどこちらはダメとかかなり厳しいです。

私はどんどん新柄作りたい派で財産だと思ってダメ元で作り続けています。

こうして作られた商品が販売を通じてお客様の元へいき、気に行っていただければ売れる。

という流れです❗️

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